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取立訴訟について

−大手サラ金からの取立訴訟(債権差押による取立)の訴状が届いた会社社長の対応−
 

 訴状によれば、従業員である債務者Aに対する給与を差し押さえる差押命令を発したにもかかわらず、当社宛に差し押さえた金額の支払いがないので、その支払いを求めるとの内容である。

 社長は、10ヶ月以上前に裁判所から送達された債権差押命令及び、その後の債権者からの通知を、自分には関係ないとして、内容もよく見ないまま放置したようである。

 給与に対する差押命令が到達された場合、会社(第3債務者という)は、対象となる従業員(債務者という)の給与月額から法定控除額(源泉所得税や社会保険料)を除いた手取額の4分の1(手取額が28万円以上の時はその額から21万円を控除した額)を、差押命令が債務者に到達した日以後1週間が経過し、債権者から支払いを求められたときに、支払わねばなりません

 社長はこの法的義務を怠ったわけですから、債権者に対しては何の言い分も持ちません。やむなく、分割払いにすることを希望するとの答弁書を提出して、その内容どおりで和解が成立しました。もっとも、債権者に支払う分は、本来従業員の給与から支払うべき分であり、いわば給与の二重払いにあたるため、その分は従業員に対して返還を求めることができます。

 ところが、その裁判中に今度は別のサラ金から、債権差押命令が届きました。1社からなら、前記債権者に対して今後は、差し押さえられた金額を直接支払えばよいのですが、複数の差押が競合したときは、供託をしなければなりません。支払地(会社の所在地)を管轄する供託所に、差し押さえられた金額を供託し、執行裁判所(債権差押命令を発した裁判所)宛に事情届を提出する手続きをしました。

 

今回のケースをふまえた反省点

@めったにあることがないのですが、裁判所からの通知は、とても重要な意味を持っています。権利義務に関する重大な事柄の場合がほとんどなので、意味がよく理解できない時は、速やかに専門家に相談すべきです。

A今回の従業員は、多重債務に陥っていました。相手にもよりますが、相談にのってあげた上、債務整理手続き等専門家の関与が必要でしょう。うまく解決すれば、従来通りの雇用関係が継続できますし、社長に対する信頼感もより深くなるのですから。

 

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